
暦の上では春とはいえまだまだ寒い毎日が続いています。今年は例年にない程の大雪に見舞われ、屋根の雪下ろし、下ろした雪の処理等、少々うんざりしているところです。朝、近所の人との挨拶も「まんず毎日よく降るんしなぁ・・・」と合言葉になっています。
家の近くの市道幅6m位ありますが、朝7時頃には除雪車が通り通勤車両も順調に流れています。時には強い吹雪の時等視界の悪い時はライトを点灯し低速でノロノロ進行しています。
僕の家は集落の外れで次の集落まで南方に800m位ありますが、この区間は両側田んぼで人家もなく、全くの吹きさらし、両側は除雪の雪でうず高く1.5m位の壁になっています。
吹雪の時は道路上に吹き溜まりが出来ますが、今は早速に除雪車が駆けつけてくれますのでほとんど通行不能になることはなくなりました。今の除雪車は前の方が螺旋の回転でその削り取った雪を遠くに放出させるものと、従来からのラッセル状の除雪車が交互に活動しています。
ここでちょっとこの道で良く遊んだ僕が小学生の頃をお話したいと思います。その頃は大きな荷物を運ぶ馬橇(ばそり)が幅を利かせていました。大曲から角館町に色々な荷物を積んで何橇も連なって毎日のように通って行く様は子供心にも頼もしい事のような感じがしていました。
馬主は荷台の前の小さなコタツに背を丸めるようにして手綱を操り、馬は慣れたいつものようにゆったりした歩調で進んで行き、馬橇が通る時は僕達は脇の雪を踏み固めて通り過ぎるのを見送っていました。
馬橇も朝角館方面に行って、荷物を降ろして帰ってくる時分、僕達はそれを待っていて馬橇の後に馬主に分からないように2~3人腰を掛けて両足をぶらぶらさせながら大分遠くまで乗って行った事もあります。でも時には乗ったとたんに怒られる事もありちょっとスリルを感じることもありました。
この頃の僕の集落には高齢の方もいましたが、それにもまして子供達が大勢いました。
この道はその頃、大曲、角館間の県道としてのちにはバスも通行し、一時賑わいもありましたが、現在はこの道路に代わり大曲市街西側に本荘-大曲-角館-鷹ノ巣と結ぶ国道105号が整備され、それと交差して国道13号バイパス(秋田-大曲-横手-山形)が大曲市街地の東側に伸びて秋田自動車道のインターも近くにあり、大曲市街、郊外もここ数10年で機能的に大きく様変わりしています。
今2月も中旬を過ぎ方々の雪祭りも終わりを告げて、まもなく3月です。雪の方も少しは落ち着いて気温も少しは変化の兆しも見えてくると思いますが、それでもお体には充分お気を付けてお過ごし下さる様お祈り致します。
軒氷柱 暦の春は まだ遠く
屋根の雪 又も下ろして 仰ぎ見る
起きがけに 玄関前の 雪を見る
武男